ネット広告から推測できる福原ソープ街の変遷

世の中の流行・風潮・価値観を色濃く反映するのが「広告デザイン」です。
その次代に生きる人にいち早く強い印象を与え営業利益につなげるために、専門家が知恵をしぼって考えだしたものですから、広告というのは「時代の写し鏡」だと言えるでしょう。
神戸の福原にあるソープランド街の各店舗も、ほとんどが広告によって集客をしています。
以前までは新聞や風俗雑誌が媒体の中心でしたが、最近ではネットが主力となっています。
福原に50店舗あまりあるソープ店を広告をくまなく閲覧していると、そこにも小さな時代の変遷をうかがい知ることができます。
業界の最先端をいく福原ですから、現在の性風俗全体像を把握することにもつながるのではないでしょうか。

●ポップなデザインが増えた理由

ソープランドは淫靡でギラギラし、セクシー一点張りの広告デザインがこれまでの主流でした。
しかし、最近では原色を多様しイラストなどを取り入れたようなこれまでにないタイプの広告デザインが目立ちます。
かんたんい言うと「50歳過ぎた男性にはあまり好まれないデザイン」です。
キャラクター雑貨と見間違えるほどのポップさは、ソープランドのイメージとはかけ離れているようにも思えます。
これは、現在のソープランド街にやってくる男性客の好みに合わせたものなのでしょう。
実際に福原を歩くと、「オタク」といわれるような大人しい雰囲気の男性をよく見かけるようになりました。
こういった男性客は、年齢が多少高くても「アニメ」「コミック」「フィギア」などを趣味としていることがほとんどで、そういった男性の好みは、もろにエロティックなものよりも、ポップタッチで軽い雰囲気のものなのです。

●過度な割引イベントが減少している?

ソープランドというと、道端での値段交渉や、割引イベントをすぐに連想します。
もともと原価のない商売ですから、経営者の裁量一つでいくらでもサービスできるところがその理由なのでしょう。
ソープランドがネットを主体に広告戦略を打ち出しはじめた5年ほど前までは、かなり過度な割引イベントが告知されていましたが、それがここ1~2年でかなり落ち着いた印象があります。
これは価格破壊が長年続いたことによって「底値」に近づいた証といえるかもしれません。
また、どの業界にも通じることですが、価格競争をしている間は品質やサービスが低下するのを避けられません。
値引き合戦が終焉した福原のソープ業界は、質の向上に向かっているのです。

●細分化とコンセプトの明確化

本来ソープランドはソープランドであり、「○○ソープ」といったジャンルのようなものは存在しませんでしたが、ある時期から強いコンセプトを打ち出す店舗が登場しました。
そして現在ではそれぞれのジャンルが細分化し、コンセプトも明確化しています。
たとえば「学園・アイドル系ソープ」といったジャンルでは、昔では衣装がそれっぽいものを見に付けているくらいでしたが、最近では年齢制限を設けて10代20代前半と在籍嬢を限定し、メイクやヘアスタイルなどもコンセプトに沿ったものに統一されているのです。

●店内とコンパニオン情報の開放

ネット広告が出始めてから、昔に比べると格段にソープランドの情報は入手しやすくなりました。
そして現在ではさらに情報の開放は進んで店内の様子を詳細に撮影した画像があったり、コンパニオン一人一人が動画で挨拶をしていたりと、これまでのパネルだけでは知り得なかった部分まで詳しく知ることができるようになっています。
これはタイプ違いに不安を持つ男性客には最高のサービスだと言えるでしょう。

このように、福原ソープランドのネット広告はここ数年だけでも大きな変遷をしています。
これらの変化にネガティブな要素はなく、あきらかな”パワーアップ”と見ていいでしょうね。