ソープランドの社会的立ち位置

「風俗=違法行為」という観念があり、もちろん性質上女性には敵視される「男の遊び場」であることは間違いありません。
実際に犯罪行為に抵触している無届けの風俗店もたくさんあり、トラブルや事件もあります。
しかしなぜソープランドは警察に「届け」まで出して、店内で行われている業務内容も知られているはずなのに、堂々と営業できるのでしょうか?

【風俗と治安】
原始的な風俗・・それは売春です。
そしてそれは人類がはじめた商売の中でも最古のものだと言われています。
それほど歴史のある商売であるということは、人間社会になくてはならない本能的なものであり、それを抑制した時の反動は凄まじいものだといいます。

あれだけ法律で国民をがんじがらめにした旧ソビエト連邦でさえ、売春には寛容であっといいます。
それは「性の自由」を民間人から奪ったあとの反動を考慮に入れてのことなのでしょう。

日本でも「大阪ミナミ」のソープ排除条例や「歌舞伎町」「西川口」の一斉摘発などがありましたが、その後に現れた地下風俗店の蔓延に警察当局は実体をつかむことさえできずに苦労し、決して「治安改善」にはつながらないのです。
当時の自治体トップの意向は汲みかねますが、これが人間社会というやつなのです。

自治体によっては風俗業に対して締め付けがきつく、ほとんど風俗店が存在しない地域もありますが、それなりに人口のある県や街では「援助交際」「主婦売春」「出会い系サイト」や実体も業態も得体の知れない風俗が湧き出るように存在しています。
もちろんそういったものには警察の監視は事件になるまで届きませんので、売る方、買う方ともに危険度の高いものですあり、実際に新聞の一面に載ってしまうような事件も起きやすくなるといえます。

【ソープランドは「優等生」?】
ソープの存続はある意味自治体に委ねられています。
潰してしまおうと思えばいくらでもできますが、それをしないのにも前述のような理由があり、きちんと届けを出して法の範囲内で営業するソープランドはある意味風俗業界の「優等生」であると言えます。

ソープランドは地元警察に営業形態から従業員の名簿(スタッフ、コンパニオンとも)を提出し、神経質なほどに営業時間などの法令を守りながら営業しています。この状態は「リーチ」のかかった状態でもあり、相当のプレッシャーの中で店を切り盛りしています。

よくソープ街をパトロールする制服や私服警官に、店舗の門番が”挨拶”をしている場面を見かけますが、名簿の提出や届けの接触することから「顔見知り」になっているのです。
同地域で犯罪が発生した時などは惜しみなく情報提供など、惜しみなく協力もしますので、特に「上からの御達し」でもない場合は”なあなあ”な雰囲気といったところです。
立場の弱いソープランド業界はこういった関係性を作ることに努力を重ねているのです。

ソープランドを含めた届出制の風俗の社会的な立ち位置は微妙なところにあります。
女性団体などから標的にされやすいという業態ですが、性風俗が決してなくならい性質のものなら、今のソープランドの営業姿勢は絶妙であり、安心度の高いものであるといえます。