高級ソープの変遷

究極の女遊びとして君臨してきた「高級ソープ」も、時代の流れとともに少しづつ変化してきました。
「風俗界の王者」としての威厳は健在ですが、時代に呼応したいくつかの変化と流れを見てみましょう。

●絶頂期は「バブル時代」
どの商売でも景気が大きく反映するのは当然です。
「バブル期」と呼ばれた80年代はソープランドがこぞって「高級化」した時代であり、10万円を超えるような店舗も次々と登場しました。

この頃は遊ぶお客の方も豪快で、一人のキャストを一日丸ごと指名キープしたり、会社で店舗ごと「貸し切り」にしたなどの武勇伝も多く見られました。
もちろん店舗設備にも多額の費用が使われ、いまだにその時代の店舗が使われて色あせないで残っていることからも、設備投入資金の大きさが計り知れます。

●一転して「低価格競争」へ・・
そのバブルが崩壊した90年代はソープランド、とくに高級店が激変した時代でもあります。
お客の懐具合が寒いと、それまでの料金設定では立ち行かず、こぞって値下げに踏み切る高級店が増え、この頃から「大衆店」「格安店」などが多く出店したり高級店がグレードダウンしたりしました。

そして、これはソープランドに限ったことではありませんが、自分の周囲で破産、倒産が相次ぐ中「遊び」にお金を使おうという雰囲気ではなかったということも、遊びにお金を使わなくなった理由として存在していたのでしょう。

●キャストの低年齢化
2000年以降の不況の影が残る日本で、風俗業界にある異変が現れました。
それは狂った程の好景気”バブル”がはじけた以降に生まれた、「良い時代を知らない」世代の若い女性の価値観の変貌です。
わかりやすく言うと「簡単に風俗を始める」女性が増えたのです。

これまで考えられなかった年代、真面目な雰囲気の低年齢の女性が「お金のためなら」と、現実的な考えで風俗嬢になり、そしてその波がソープ復興の大きな要素になり始めます。

それまでは、風俗全体を見渡してもソープ嬢の平均年齢は高めで、それがソープ離れを起こす原因の一つでもあったため、低年齢のソープ嬢の登場は「ソープランドの弱点の克服」になったのです。
「女性の年齢が若い」ということは、性的な観点から考えると非常に大きな価値になります。
しだいに高級店が若いキャストを確保し始め、中には在籍嬢全員が20代前半という高級ソープも出現し始めます。

●サービス内容・システムの変貌
ソープ業界が持ち直した大きな理由は「格安店」の登場だと言われています。
高級化するファッションヘルスと格安高級ソープの値段差がなくなり始めた頃に、風俗ファンの間でもう一度ソープランドの魅力が見直され始めたのです。

この頃に高級ソープの「サービスとシステム」自体が見直され始めます。
大衆店以下の低価格ソープランドがどんな動きをしても、不動であった高級店が歴史上はじめて大きな動きを見せたのです。

昼間にサービス料金を格段におとして大衆店として門戸を開いた店舗が登場。
また吉原などでは「高級」というコンセプトを「過激」に転換させ、複数プレイやNN・NSを基本設定にしたりと、もはや高級店の影さえ残さないほど敷居の低い店まで登場して人気を集めました。

●そして現在・・
そして現在の高級ソープの動向は?というと、「カオス状態」というのが正直な意見です。
昔はどの地域に行っても高級ソープは似たり寄ったりでしたが、今ではかなりのバリエーションがあります。
たんに「高級」だけがもてはやされる時代は過ぎ、新しい「実験段階」に入っているとも言えます。
少々不景気であっても、人は欲望のためにはお金を湯水のように使ってしまうものです。
新たな「高級店の価値」を”過激な性的プレー”に転化した吉原の高級ソープなども、新しい試みの一つでしょう。