AZITO V.I.P

芹澤 きこ

芹澤 きこ

(23)

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愛らしさと気品の融合。至福のひとときを

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🦋ハプニングバー♡NTR🦋

12/29 21:17

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短編『灯りの下で』

 

 

扉を開けた瞬間、外の夜が切り離された。

低い天井、落とされた照明、壁に沿って並ぶ小さなテーブル。

音楽は控えめで、会話の輪郭だけが浮かび上がる。

 

彼は一歩、彼女の後ろに立つ。

肩越しに見える彼女の背中が、いつもより近く、いつもより遠い。

この距離感が、すでに胸をざわつかせた。

 

受付を済ませ、案内された席は、フロア全体を見渡せる位置だった。

視線が集まる場所でも、隠れる場所でもない。

選ばれたのは、その“あいだ”。

 

彼女は椅子に腰を下ろし、軽く周囲を見回す。

興味と警戒が同時に混ざった目。

その表情を見て、彼の鼓動が早まる。

 

――見られているかもしれない。

――でも、見せているのは彼女自身だ。

 

グラスが置かれ、氷の音が静かに鳴る。

話し声は低く、笑い声は短い。

誰もが大きな動きをしない分、

ちょっとした仕草がやけに目に入る。

 

カウンターの向こうで、誰かが彼女を見る。

ほんの一瞬。

でも確かに、視線が交わった。

 

彼はそれを見逃さなかった。

胸の奥に、ひやりとした感覚が走る。

嫉妬なのか、高揚なのか、判別がつかない。

 

彼女は何も言わない。

ただグラスを持ち上げ、ゆっくり一口飲む。

その動作が、妙に落ち着いて見えた。

 

彼は気づく。

自分が求めていたのは、

彼女が“奪われる瞬間”ではなく、

彼女が“選ばれる可能性”を目の前で感じることだったのだと。

 

照明の下で、彼女はただ座っているだけ。

それなのに、空気が少しずつ変わっていく。

人の距離が縮み、視線が増え、

選択肢が静かに増えていく。

 

彼は息を整え、彼女の横顔を見る。

何かが起きるかもしれない。

何も起きないかもしれない。

そのどちらもが、同じくらい強く胸を打つ。

 

この場所は、行為の場じゃない。

欲望を“試される”場所だ。

そして一番試されているのは、
他でもない、自分自身だった。


fin.

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