-
04/21 20:46
-
-
朝、目が覚めたときも、まだ少しだけ残っていた。 手首に巻かれていたガムテープの跡が、うっすらと熱を持っていて。 昨日のことが、やけに現実的で、 夢だったとは思えない。 ただ縛られていただけなのに。 大げさなことなんて、何もなかったのに。 それでも、動けないあの時間、 君の気配だけを感じていたあの距離が、 妙に頭から離れない。 日常に戻って、 いつも通りスマホを触っているのに、 ふとした瞬間、あの感触がよみがえる。 自由なはずの手首が、少しだけ物足りなくて、 なにもないのに、なにかに触れられている気がする。 変だよね。 怖いとか、嫌だとか、そういうのじゃなくて、 ただ静かに、じんわり残っている。 もしまた同じことが起きたら―― きっと、今度は少しだけ、 自分から近づいてしまう気がする。 そんなことを考えてしまうくらいには、 もう、あの時間は特別じゃなくなりつつある。


































](/system/247/61186.jpg?1776251084)



















](/system/247/61288.jpg?1775004948)































